須磨﨑 亮

病院長
須磨﨑 亮

本年1月から茨城県立こども病院長を拝命致しましたので,ご挨拶を申し上げます。私は東京医科歯科大学を卒業後,直ちに筑波大学附属病院で医師の研修を開始し,ここ10年間は筑波大学小児科の責任者を務めておりました。ほぼ40年にわたり,茨城県内のいろいろな病院で小児医療を行い,また大学で小児科医の育成に力を注いできましたので,「こども病院」の充実・発展を身近に感じています。

茨城県立こども病院は1985年に発足以来,一貫して茨城県の小児医療を先導してきました。こども病院は,筑波大学がうぶ声をあげたばかりの時代に,いち早く新生児医療や移植医療など高度医療を開始し,大きな成果を挙げています。例えば茨城県の新生児死亡率は,従来は全国平均よりも大幅に高くなっていましたが,こども病院が開設されてから急速に改善し,現在では死亡率の低さでは全国でトップ10に入ることも珍しくありません。近年はドクターヘリの基地や小児救急電話相談事業など,茨城全県の小児救急医療にも大きく貢献し,時代のニーズに合わせて医療内容を向上させ,輝かしい歴史を築いています。この過程で医師,看護師など小児医療に携わる300名以上のプロフェッショナルが集結するようになり,茨城県では最大の小児医療施設として成長してきました。この発展を牽引してこられた圡田昌宏先生,宮本泰行先生からバトンを受け継ぎ,さらに病院を充実させて,茨城県のこども達のために誠心誠意とりくみます。

少子化は日本の抱える最重要の課題であり,地域の発展のためにも小児・周産期医療の充実が求められています。茨城県はとくに,人口当たりの小児科医師数が少なく,こども病院には小児医療を担当する医師など専門職の養成が期待されています。人口300万人に近い大きな県ですが医師養成を担う大学は筑波大学1校だけなので,医師不足の解決は容易ではありません。さいわい茨城県では,地域枠や修学生など地域医療を希望する若手医師が急速に増えつつあります。こども病院では彼らに充実した研修環境を提供して,ここで育った医師が茨城の小児医療を支えられるように努めます。現在,筑波大学では平成26年から30年まで,茨城県に多数の医師を派遣している東京医科歯科大学と共に,文部科学省課題解決型高度医療人養成プログラム事業「ITを活用した小児周産期の高度医療人養成」を行っています。これは茨城県の専用情報通信ネットワーク(IBBN)を活用して,若手医師が地域病院で診療しながら大学やこども病院の専門医師の指導を直接受けられる体制を整備して,魅力的な研修環境を全県に広げることを目指しています。また,こども病院は本分である高度医療を一層充実させると共に,さらに「こども達を守る」を合言葉に,県内のいろいろな小児医療に貢献できるように努力を積み重ねて参ります。皆さまのさらなるご指導,ご支援を頂けますようにお願い致します。

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