白血病の中枢神経系への再発を予防する目的で頭部への放射線照射や髄注、大量メソトレキセート治療が行われています。また造血細胞移植の前処置として頭部を含む全身への放射線治療が行われた方もいます。これらの治療により白血病の再発は著しく減りましたが、再発なく生存されている方の中に(特に放射線治療を受けられた方に)脳腫瘍や脳血管奇形(もやもや病)がみつかることがあります。
また、画像検査などでは特に異常がなくても、学習困難や記憶障害、細かい動作が苦手といったことで困っている方もいるかもしれません。
オンコビンなどの薬によって足のしびれや感覚異常・運動障害に苦しんだん方もいるかもしれません。時間が経てば良くなることが多いですが、症状が残っている方もいます。
こんな人は要注意です
- 白血病の治療として頭蓋放射線治療を受けた(1980年台以前に治療を受けた方の大部分、それ以後に治療を受けた方の一部)
- 造血細胞移植の前処置で全身の放射線照射を受けた
- けいれんしたことがある
- 頭部MRI検査で白質脳症の所見があると言われたことがある
こんな症状に注意
- 脳腫瘍の症状に特徴的なものはありませんが、吐き気を伴う頭痛がある場合には要注意です
- 腫瘍のできる場所にもよりますが、運動麻痺がでることがあります
- もやもや病の特徴的な症状は深呼吸をしたとき(笛を吹いた、熱いものを食べるのにフウフウしたなど)の突然の意識消失や脱力、感覚障害です
- けいれん発作を起こした
- 転びやすい
- 常にしびれた感じがある
専門の診療科は?
- 神経内科
- 脳神経外科
気を付けることは?
- けいれんに対して薬を飲んでいる方は、過労を避け規則正しい生活をしましょう。薬は自己判断で中止減量しないでください。
- 心配な症状がある場合には画像検査を受けましょう。