先輩からのメッセージ MESSAGE

MESSAGE - 05
学生・初期研修医向けの
勉強会などを先輩達と
準備しています
小児科専攻医 今川 有香
経歴を簡単に教えてくださ

私は水戸市出身で、水戸市内の高校を卒業後、山形大学医学部に入りました。卒業後は食べ物も美味しく、お世話になった人も多かった山形に残るか、茨城に戻るかで悩みました。考える中で、茨城県の医師が足りないことも知っていたので、地元に戻ってきて医療に貢献したいという思いが強く、(家族の帰ってきて欲しいという希望もありましたし笑) 初期研修から茨城に戻り、筑波大学附属病院で仕事を始めました。

元々、子どもが好きだったので小児科に興味があり、初期研修中に茨城県立こども病院を回ることを希望しました。茨城県立こども病院を回ったときは、軽症な子から重症な子まで色んな患者さんがいて、バタバタと動き回る日々でしたが、その中でも奮闘する先輩小児科医の先生方の働きぶりをみて、自分も小児科医になりたいと思い、茨城県立こども病院で後期研修を開始することを決めました。

今は、後期研修1年目として茨城県立こども病院でのローテーションをしています。

これまでの後期研修医生活を振り返ってどうですか

私は、4月から6月まで茨城県立こども病院の小児総合診療科で働き、7月からは新生児科で働いています。小児総合診療科では、初期研修の時とは立場が変わり、責任がより問われる立場となり、忙しく過ごしているうちに、気づいたら3か月が終わっていました。3か月を乗り越えられたのは、一緒にチームを組んでいた先輩の支えがあったからこそでした。

茨城県立こども病院の総合診療科は屋根瓦方式の教育体制をとっており、後期研修1年目は後期研修3-4年目の先生とチームを組んで10人程度の入院患者さんの入院管理を行います。退院後の外来フォローや、救急車対応なども並行して行います。後期研修1年目から指導医の先生にチェックしてもらいながらですが、主体的に患者さんに接することができる点は茨城県立こども病院の後期研修の良い所だと思います。

7月からの新生児科も半年ほどが経過しました。小児総合診療科とは全く違い、出産に立ち合い、呼吸状態などが問題ないように蘇生管理を行い、NICUに入院してもらい、自宅で過ごせるように成長のサポートをする。「病気を治す」という概念とはまた違う医師のやりがいというものを感じています。1人前になるまではまだまだですが、患者さんとそのご家族のために日々尽力しています。

新生児科ローテーション中の生活の1日を教えてくださ

8時頃に病院に来て、その日必要な入院患者さんの採血やエコー検査を行います。8時半頃に当直医からの申し送りを受け、指導医とのカンファレンスを行います。その日の処置や治療方針の確認を行った上で、診療を進めていきます。新生児科全体のカンファレンスが毎日10時半からあり、そこで全体の共有を行っています。水戸済生会総合病院の周産期センターと密な連携をとっているのが特徴で、毎週のカンファレンスと周産期センターで産まれた子達の健康チェックは新生児科医も関わっています。

他にも周産期センターで立ち会いを行ったり、近隣の産婦人科産まれた子ども達の状態が悪く、蘇生が必要であれば、新生児科医と新生児科の看護師が茨城県立こども病院のNICU車で近隣の産婦人科に向かい、蘇生をして、茨城県立こども病院のNICUまで連れてくる「お迎え搬送」というものを行っています。「お迎え搬送」は率先して後期研修医と指導医で行っています。他にも地域でNICUに入院が必要であれば、自治体救急車で搬送してもらって、NICUに入院対応をしています。地域の周産期医療についても当院が支えていると自負しています。夕方に当直医に申し送り、1日の勤務は終了します。当直は週1回程度入っています。

印象に残った子のことを教えてくださ
新生児科で担当していた超出生体重児(1000g未満で産まれた)のお子さんです。出生直後の劇的な変化を乗り越え、現在は徐々に落ち着いてきているところです。退院に向けてサポートを続けていきます。生後すぐからNICUに入院しており、現在2か月ほど経ち、退院できた時にはとても充実感を感じると思います。
茨城県立こども病院の後期研修の良いところは

外来では一次救急から三次救急まで、病棟では、軽症な子の管理から重症な子の管理まで幅広く学ぶことができます。疾患も様々で、茨城県立こども病院で経験できない症例は少ないと思います。小児科専門医試験を受ける際に症例レポートを提出するのですが、先輩からは症例レポートを書く際に、困ることはないと聞いています。それくらい色んな患者さんの診療に実際に取り組むことができます。

また、医師だけでなく、コメディカルの方々とも顔見知りのため、一緒に仕事をするにもやりやすく、何かを頼むときにも頼みやすい関係が作れています。茨城県立こども病院は全部で115床と全国で一番小さい小児病院であり、小規模病院ならではの良さがあると思います。

休みは取れていますか

土日は他の先生達と当番を決めて休みをとっています。休みの日は担当医制のため、呼ばれることはなく、完全オフとなります。休みの日はのんびりとゆっくり過ごすのが幸せな時間です。

今後どういった後期研修生活を送りたいと思いますか

今は日々に追われ、目の前のことに精一杯ですが、症例経験を増やし、先輩方のようなどんな疾患にも対応できる小児科医になれるように研鑽を続けていきたいと思います。

また、現在、論文作成に取り組んでおり、1つは甲状腺検査についての内分泌の論文と、もう1つは新生児の呼吸障害についての論文を書く予定になっています。忙しい診療の合間を縫って、学術活動も頑張って進めていきたいと思います。

同期はどうですか

同期は自分を含めて3人です。なんでも話せる同期です。同期には恵まれて良かったです。
後輩達も3人は入ってくれるみたいなので、仲良くやっていけるように環境を作ってあげたいと思います。また、先輩として仲良くして欲しいです笑

今研修先を考えている初期研修医に向けてメッセージをお願いしま

ぜひ一緒に働きたいです!茨城県は小児科医が少ないので症例経験を積みたい人にはとても良い環境だと思います。また、子どもが好きな人にはぜひ小児科にきて欲しいと思います。今後、学生・初期研修医向けの勉強会などを先輩達と準備していますので、興味を持っていただいたらぜひ来てください!