私は秋田県出身で、県立秋田高校を卒業後、東京大学に入りました。幼い頃から持病があり、小児科の先生や看護師さんに大変お世話になっていました。そのような経験から、小児科医や小学校教諭など子供と関わる職業に魅力を感じるようになりました。
大学を卒業後は、西東京にある青梅市立総合病院で初期研修をし、成人だけでなく小児についても救急外来を中心に経験を積ませていただきました。
研修先として、プライマリ・ケアと専門性のバランスがとれている、小児病院を軸に探していました。大学に入局することも考えましたが、短期間で様々な地域の病院に移らないといけないので、それよりは専門医を取るまで、ある程度同じ環境で落ち着いて経験を積みたいと考え当院を選択しました。
まだ勤務して1〜2ヵ月しか経っていませんが、緊急性の高い病態に対する初期診療、一般的な市中病院では経験できない症例に対する専門性の高い診療だけでなく、養育環境に対する緻密な介入を早期から行っていることに感銘を受けました。上級医の先生方はcommon diseaseで受診した患者さんに対しても、外来の段階からご家庭の状況やmaltreatmentの可能性に気を配り、次の診療へと繋げていらっしゃいます。
初期研修時代は、やや気になる受傷機転で受診されたお子さんであっても、救急外来で最低限求められるレベル以上には評価できずに帰宅とし、養育環境について不安が残ることもありました。専門研修を通して、医学的介入に加えて、患者さんの置かれた環境に対する総合的な評価もできる小児科医になりたいと思っています。
新規の患者さんは、一般の病院やクリニックで評価されたうえで紹介される方が多く、初期研修時代には数ヵ月に一人入院されていたような急性期の症例に短期間で出会います。
その一方で、日常的に医療ケアを要する慢性期の患者さんを診療させていただく機会も多いです。このような方については、院内のスタッフの多くが状況を把握しています。チームの一員としてどのようにかかわらせていただくのが良いか、一人ひとりの患者さんと接しながら、日々勉強させていただいています。
私は初期研修後の数年間、臨床以外で医学に関わることをしていて、久しぶりの臨床現場復帰でした。そのため短期的な目標は、早く職場に慣れ、戦力として働けるようになることです。
中長期的には勿論、小児科専門医を取るというのが一番の目標です。専攻医の期間にどのサブスペシャルティ領域へ進むかも決めていきたいですが、ある程度ジェネラルに一人で診られるように研鑽を積みたいです。
専門医制度のこともあり、初期研修後は大学に戻るという志向の方も増えていると聞きますが、小児科では小児病院という選択肢もあります。当院では、養育環境を含めた包括的な診療能力、学術的な推論力の両方をバランスよく鍛えるのに、最適な環境と指導者がそろっていると思います。是非一緒に成長していきましょう。